全国大会
第35回全国大会
- 実行委員長
- 池上 和範(桜十字福岡病院,20回生)
樋上 光雄(産業医科大学 作業環境計測制御学,衛生学科3期生)
高山 祥子(西日本産業衛生会,22回生)
- 事務局長
- 後藤 元秀(産業医科大学 職業性中毒学,21回生)
西村 恭子(TOTO,看護学科7期生)
- 日時
- 2023年10月14日(土)~15日(日)
- 会場
- 産業医科大学 ラマツィーニホール
&
オンライン(Zoom)
- 共催
- 第41回産業医科大学学会
産業医科大学国際センターシンポジウム
- テーマ
- 「人間は考える葦である-新しい社会へ、一人ひとりが心地よく働く職場へ-
L'homme n'est qu'un roseau, le plus faible de la nature; mais c'est un roseau pensant.」
- 参加者数
- 198名(現地参加132名,オンライン66名)
- 報告
- 西村 恭子(TOTO,看護学科7期生)
第35回全国大会の開催報告をさせていただきます。
2023年10月14、15日の2日にわたり「人間は考える葦である-新しい社会へ、一人ひとりが心地よく働く職場へ-」をテーマにラマツィーニホールで開催いたしました。
第41回産業医科大学学会、産業医科大学国際センターのシンポジウムとの共同開催ということもあり、さわやかな秋晴れのもと現地参加132名、オンライン66名と多くの方にご参加いただきました。
当日の内容について以下の通りご報告いたします。
<10月14日プログラム>
1.ポスターセッション
産推研からは、前野 孝明先生(UBE)、中澤 京香先生(BASF戸田バッテリーマテリアルズ)、光田 明香里先生(西日本電信電話)の3名に日ごろの活動についてご報告いただきました。
エネルギッシュな内容に、発表時は多くの参加者がポスターの前に集まり、熱心に質問している様子でした。
2.メインシンポジウム
高山 祥子先生(西日本産業衛生会)と坂口 愛未先生(トータルヘルス)を座長に、多様な経歴を持つ4名の先生方から「人間は考える葦である-新しい社会へ、一人ひとりが心地よく働く職場へ-」をテーマに、これまでの道のり、そして今後取り組みたい課題やチャレンジしたいこと等をご講演頂きました。
【白川 千恵先生(ジャパネットホールディングス)】
困難な場面では原則に立ち返ることを意識して、産業医科大学建学の使命や、問題ではなく解決に視点をおくSFA(解決志向アプローチ)を礎に、未来の望ましい姿にどうすれば近づけるかを考えチャレンジされているとお話頂きました。
【八谷 百合子先生(産業医科大学 産業・地域看護学)】
学生時代から現在までのキャリアについて多くの写真を交えてお話頂きました。
キャリアの過程で出会った方々とのネットワークを大切に、先生方からのアドバイスを行動に変えていったことで工学の学位取得を叶えたというお話が心に残りました。
【喜多村 紘子先生(産業医科大学 産業医実務研修センター)】
小学校時代から卒後にわたり、様々なご縁に恵まれて学びを深めてこられたことをお話頂きました。
今後は恩返しとして、地域に貢献できる産業医になることや、社会への貢献、粘り強く・愚直に・誠実に自分をがっかりさせないように働いていきたいという思いを語ってくださいました。
【倉岡 宏幸先生(産業医科大学 安全衛生マネジメント学)】
三度研究留学へ挑戦されたエピソード、費用面での支援の内容、留学経験で得たことなどを具体的にご紹介頂きました。
今後も国際的な活動を継続するとともに、留学にチャレンジしたい学生のサポートにも力を入れたいとお話頂きました。
3.懇親会
産業医科大学学会、産業医科大学国際センターのシンポジウムとの合同で、学生食堂にて懇親会が盛大に開催されました。
浜口 伝博先生の乾杯のご挨拶に始まり、産推研 西 賢一郎会長より、産推研功績賞が櫻木 園子先生、坂本 宣明先生、いもと ちえこ先生に贈られました。
また浅海九州地方会長より、功労賞が堀江 正知副学長へ、顕功賞が森 晃爾教授へ、感謝状が前学長の尾辻 豊先生へ贈られました。
その後は小倉で400年続いている「国指定重要無形民俗文化財」にも指定された小倉祇園太鼓の皆様をお迎えし、太鼓、ヂャンガラ(摺り鉦)お囃子に音の調和を楽しみつつ、最後は恒例の大和先生による「1・2・3・ダァーッ」の声掛けと共に記念撮影といった大変内容の濃い懇親会となりました。
参加された皆様方も久しぶりの再会や交流で話に花が咲き、会場のアナウンスが聞こえないくらいの熱気の中、大盛り上がりに終わりました。
<10月15日プログラム>
1.新病棟見学ツアー
新たに開院した急性期診療棟の見学ツアーには約40名の会員が参加しました。
田中 文啓病院長、堀江 正知副学長をはじめ、診療科長の先生方による院内の施設、併設された産業医学臨床センター及び両立支援室の説明もあり、約1時間見学させて頂きました。産推研らしく、保護具の使用状況など職場巡視の視点で質問が飛び交う充実した見学会となりました。
ご対応頂きました先生方、教職員の皆様、最新鋭の設備を見学できる貴重な機会を頂きまして、誠にありがとうございました。
2.記念シンポジウム
今年度より第10代新学長として就任された上田 陽一先生と産推研会長の西 賢一郎先生、産業医大の在学生である千代丸 莉菜さん(医5年生)、岡本
健史さん(医4年生)、山田 歩生さん(看4年生)、田中 智子さん(看4年生)、白石 彩花さん(産衛科学4年生)、江東 優圭さん(産衛科学4年生)をシンポジストにお迎えし、フリーアナウンサーの青木
美香さんと樋上 光雄先生(産業医科大学 作業環境計測制御学)の司会のもと、トークセッションが行われました。
冒頭には、上田先生と西先生より学生に向けた温かいメッセージを頂き、その後、学生から上田先生と西先生に向けて質問するというスタイルでセッションが進みました。学生からは、「多職種とコミュニケーションを取る工夫」「産業医としてどんな保健師と一緒に働きたいと思うか」などといった学生ならではの率直な質問が多数あがりました。
また「卒後、産業医になった場合にどのくらい追い風が吹いているのか教えてほしい」という質問が上がり、会場の笑いを誘いました。会場の浜口先生からは「社会的に追い風は吹いている。その中でも産業医大出身者の強みは生涯にわたって哲学する=よく考える・議論することができるという見えない輝きがあることである」と熱いメッセージが贈られました。
会場にいらした来賓の厚生労働省労働衛生課長の松岡様からも「企業において働く人の健康が企業の価値となってくる。産業医大に追い風というよりか、真面目にやっている産業医には追い風は吹くだろう」とユーモアを交えたお言葉を頂きました。
上田先生からは「産業衛生科学科で産業医大認定ハイジニスト制度が新設され、化学物質の専門家が養成できることも産医大の追い風の一つである」とご紹介頂くなど、終始和やかなムードでセッションが進み、壇上だけでなく会場からも意見が飛び交う大変充実したシンポジウムとなりました。
本大会の開催に際し、ご来賓の皆様、学生さんを含む当日ご参加頂いた皆様、産業医科大学関係者の皆様より多大なるご協力を頂きましたこと、心よりお礼申し上げます。
来年度の第36回全国大会は深井 恭佑大会長のもと、2024年10月26日に大阪市中央公会堂での開催が予定されております。是非来年もご参加ください。