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最終更新日:2024年5月27日

近畿地方会

2023年8月5日 第50回研究会

日時
2023年8月5日(土)15:00~17:30(予定)
会場
AP大阪淀屋橋 3F J-Kルーム

オンライン(Zoom)
テーマ
「就労世代にみられる婦人科疾患と悪性腫瘍の最新情報」
講師
吉野 潔先生(産業医科大学産婦人科学 教授,8回生)
参加者数
現地:30名ほど,オンライン:27名
報告
松山 秋子(パナソニック健康保険組合,35回生)

2023年8月5日(土)に開催されました近畿地方会第50回研究会に関してご報告いたします。

産業医科大学産婦人科学教授の吉野先生に「就労世代にみられる婦人科疾患と悪性腫瘍の最新情報」のテーマについてご講演いただきました。現地会場とZoomとのハイブリッドで開催され、現地は30名ほど、オンラインは27名の方にご参加いただきました。

まず前半のお話として「就労世代にみられる婦人科疾患」についてご講演いただきました。最初に月経困難症についてご説明いただきました。月経困難症とは月経に随伴して起こる病的症状であり、2018年に行われたWebアンケート調査では「月経のためにパフォーマンスが半分以下になる」と回答したのが全体の45%と約半数を占めることが報告されています。ただ、月経困難症の有病率は16~76%と報告によってかなり差があり、これは自分の月経を他の誰かと比較する機会がほとんどなく、自身の症状が病的であるかどうかを判断しきれていないことが大きく影響しているとのことでした。
更年期障害に関してはまず生活習慣改善を行うことが必要であり、それでも改善が見られない場合にはホルモン補充療法を検討するとのことでした。ただ、ホルモン補充による乳癌を含めた有害事象の発生が報告されているため、治療期間は慎重に検討すべきとのことでした。その他、対処療法としては漢方薬などが用いられることが多いとのことでした。

後半は子宮頸がんとHPVワクチンの現状についてご講演いただきました。日本では諸外国と比較してHPVワクチンの接種率とがん検診受診率がかなり低いという大きな課題があります。世界的には前がん病変であるCINや子宮頸がんそのものも減っているという報告が数多くされており、17歳未満でワクチン接種が完了した場合には最大で88%もリスクが下がるとされています。日本ではキャッチアップ接種が行われておりますが、接種率がなかなか上がらないという現状があります。今後も接種率向上のために積極的な呼びかけを行うことが必要と考えました。

質疑応答では更年期障害のホルモン補充療法や不妊治療との両立支援に関する質問など多くの質問が寄せられ、非常に活発な議論が行われました。

最後に、女性の健康に関する情報はどうしても女性だけを対象とされがちですが、女性だけではなく男性の従業員にも知ってもらう必要性があるのではないかと考えました。実際に行われた調査では、月経困難症や女性の健康について回答者の女性の3割が男性にも知ってほしいと思っていることが明らかになっています。産業保健活動を行っていくうえで、女性だけではなく男性を含めた全従業員に対して情報を発信していくことが必要だと感じました。またHPVワクチンの接種率向上に一番寄与すると考えられているのは接種対象者の身近な人からの言葉であると吉野先生からお話がありました。我々ができることとして、接種対象者となるお子さんを持つ親世代に対して正しい情報を伝えることがあり、少しでもHPVワクチン接種率が向上し、子宮頸がんで悲しむ人が減るように働きかけていきたいと強く思いました。

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