近畿地方会
2023年3月4日 第49回研究会
- 日時
- 2023年3月4日(土)15:00~17:30
- 会場
- オンライン開催(Zoom)
- テーマ
- 「企業における障害者雇用の実態と産業保健職の関わり」
- 講師
- 三木 崇弘先生(恵風会高岡病院 児童精神科医)
- 参加者数
- 34名
- 報告
- 大石 彩(村田製作所,看護学科13期生)
2023年3月4日(土)に開催された、近畿地方会第49回研究会についてご報告いたします。
テーマは「企業における障害者雇用の実態と産業保健職の関わり」で、恵風会高岡病院 児童精神科の三木 崇弘先生にご講演いただきました。Zoomを用いた完全オンラインで、参加者は各地から34名お集まりいただきました。
まず初めに、三木先生より「障害者雇用先進企業の取り組みの特徴」についてご講演いただきました。ご自身の研究として取り組まれた障害者雇用がうまく進められている企業の担当者へのインタビュー結果を、具体的な事例とともに非常にわかりやすくご説明いただきました。
障害者雇用がうまく進められている要因として、文化的側面と戦略的側面から考察され、
1. トップのコミットメントや障害者雇用をダイバーシティの中に含める考え方の「ビジョン・戦略」、
2. 人事部の対応や障害社員に対する応対の線引きなどの「組織と人材」、
3. 特定作業の熟達による高生産性などの「オペレーション」、
4. 業界・取引先、ステークホルダー全般に対する「ステークホルダーマネジメント」
の観点で、それぞれの企業が戦略的に取り組んでいると整理されていました。
障害者雇用は難しくなく、長期戦略で考えると障害者雇用は重要であり、早期に対応したほうが優秀な人材を取り込みやすいというお話は印象的でした。
講演後は、参加者から事前にいただいた質問や講演内容を踏まえての質問に回答いただきました。
後半は、「障害者雇用への産業保健職の関わり」として、
1. 障害者雇用に関するこれまでの経験、
2. 障害者雇用率アップにおいて想定される課題、
3. 課題に対して産業保健職に期待される役割や解決策
をテーマに、ディスカッションを行いました。当初はグループワークを行う予定でしたが、システムトラブルもあり、参加者全員で行いました。
障害者雇用について、これまでの経験や想定される課題について様々な発言があり、障害者雇用の課題感を参加者同士で共有できたのではないかと思います。③については時間の関係上、あまり議論できませんでしたが、今後も続くテーマであると思うので、別の機会で議論してみたいと思いました。
最後に、「障害について、症状や接し方はネットによく書いてありますが、その人がどうなのかは接するまでわかりません。ちゃんとしようと思わなくていいですよ」という三木先生のお言葉に、気が楽になりました。「私は産業保健職だから」とつい力が入ってしまいがちですが、わからないことは当事者に相談して対応していきたいと思いました。