近畿地方会
2022年8月20日 第48回研究会
- 日時
- 2022年8月20日(土)14:00~16:30
- 会場
- オンライン開催(Zoom)
- テーマ
- 「ポジティブ・ディビアンス:組織のマインドフルネスのススメ」
- 講師
- 河村 洋子先生(産業医科大学 産業保健学部 安全衛生マネジメント学 教授)
- プログラム
- 14:00~14:10 会長・座長挨拶
14:10~14:30 ミニミニマインドフルネス体験(個人ワーク)
14:30~15:20 河村先生御講演
15:20~16:20 活用実践ワーク
「産推研の心理的安全性向上のためのポジティブ・ディビアンス探し!」
(個人・グループでのワークショップの後、全体共有)
16:20~16:30 質疑応答
- 参加者数
- 無料
- 報告
- 福田 郁巳(オムロンエキスパートリンク,看護学科8期生)
2022年8月20日(土)にオンラインで開催された近畿地方会第48回研究会についてご報告します。
今回は「ポジティブ・ディビアンス:マインドフルネスのススメ」というテーマで、産業医科大学産業保健学部安全衛生マネジメント学教授 河村洋子先生に御講演頂きました。
まず、講演冒頭に、今回のテーマのひとつでもあるマインドフルネス(“いま”に意図的に意識を集中して自分の状態を捉えること)を参加者自身に体験していただく目的で、スパイラル・ジャーナルを実施しました。
(方法:白い紙を四つ折りにして開き、中央からできる限り小さい渦を1分間書く。その後、左上、右上、右下、左下に、先生から提示されたテーマに沿って感じたままに言葉を書く。)
鉛筆や紙に触れる手・指先の感覚に意識を集中する、また自身の思考を観察することは、自然と“いま”にとどまり気づきを深めることのできる大変心の落ち着く時間でした。
次にポジティブ・ディビアンス(PD)概説をご紹介いただきました。
資源に乏しい困難な状況下でもうまくいっている、前向きな逸脱者・ケースを探り課題解決を目指すPDアプローチと、マインドフルネス、マインドセットとの関連をご提示いただきました。マインドフルネス、マインドセットに共通する無意識を意識化する、普段見えていないものを感じ取る力、はPD探しの助けとなることを学び、開かれた感覚、柔軟な思考や想いの力の重要性を再認識しました。
またPDの具体的事例をご紹介をいただく中で、我々が今後PDを試してみたいエッセンスを取り入れてみたいと感じることがあればまずは「プラクティスベースドエビデンス」の心構えで出来ることからとにかく、やってみる、ことをご提案いただきました。バタフライ効果を例に、自分の小さなアクションでも社会や組織を変えるきっかけに成り得ると示していただいたこともとても印象的でした。
最後に、PD理論を体験するためのグループワークを実施しました。
「産推研の心理的安全性を高めるためのPD探し」を行い、参加者同士で意見交換が行われました。産推研でのPDとして「気心の知れた仲間がいると安心できる・経験のある方からの歩み寄りが有難い・多様性を受け入れる/お互いを思いやることが大切」という意見がありました。
また、そのような環境を作っていくために「全員参加」「なんでも発言しても良い・どんな意見も否定しない」等の場のルールを決める、「事前に役割を決めて準備した上で体験する機会を作る」といった意見も出されました。
これらの意見を参考に、自身の所属する組織でも心理的安全性向上のために出来そうなことをまず、やってみる、ことを試してみようと思います。
本研究会を通して、PDを産業保健活動に取り入れるモチベーションが高まり、現場実践での新たなアイデア創造につながりました。
大変学びが多く笑顔溢れる時間をありがとうございました。