近畿地方会
2014年12月6日 第34回研究会
- 日時
- 2014年12月6日(土) 15:00~17:30
- 会場
- ハービスPLAZA 6階貸会議室
- プログラム
- テーマ:中途障害者・難病患者の就労支援を産業保健職の立場から考える
◇講演1:「中途障害者・難病患者の就労支援~産業保健職の関わり方~」
講師:江口 尚先生(北里大学医学部公衆衛生学助教,18回生)
◇講演2:「これまでのワークアビリティの知見を、
中途障害者・難病患者の就労支援に活かす、
海外の事例も踏まえて」
講師:樋口 善之先生(福岡教育大学教育学部講師)
◇意見交換,パネルディスカッション - 参加者数
- 22名
- 報告
- 大塚 創平(京都工場保健会,27回生)
2014年12月6日、第34回研究会を開催しましたのでご報告します。今回は、江口 尚先生と樋口 善之先生を講師にお招きして、ご講演いただきました。参加者は会員・非会員を合わせて22名となり、盛大に行われました。
最初に江口先生より、難病を持たれた方の就労支援に関して、2015年1月施行の「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)の内容も踏まえてご説明いただきました。難病を抱えて就業している方へのインタビュー等を通して、就労継続のために職場での配慮を行うためには病名を伝える必要があるが、そのためには産業保健職による言語化の支援等が一つの活路になりうると、熱くお話しいただきました。難病を抱える方は継続した就業支援が必要となる可能性が高いため、本人、上司、家族、人事、産業医が納得して対応を検討する “リスクを知りつつ、安全配慮義務をいかに果たすか” リスクコミュニケ―ションの重要性を勉強しました。
続いて樋口先生より、ワークアビリティの知見を中途障害者・難病患者の就労支援にどう生かすか、という観点からお話しいただきました。高齢労働研究で再び評価されてきているワークアビリティに対する、オーストラリア等海外での取り組みを紹介・解説していただき、非常に興味深い内容でした。中途障害者・難病患者の就労支援には、適切な「本人評価」と「仕事評価」が不可欠であり、産業保健職としては実際の作業と本人とのマッチングを確認する「作業管理」「作業環境管理」が重要と話を結ばれました。
長時間のご講演の後、フロアも含めて、支援状況の実際や行政サービス、海外での取り組みに関して、実務的な質問にも及ぶ活発な意見交換がなされ、議長がテーマとして掲げた ”白熱“ した議論が展開される、非常に有意義な時間となりました。
研究会終了後、近隣の会場で懇親会を行いました。新たな参加者もあり、19名が参加し、お互いの活動状況や今後の展望などを話し合い、盛会のうちに終了しました。