松井 亜樹(パナソニック健康保険組合,23回生)
12月10日に開催されました、第26回研究会のご報告をいたします。今回は、国立国際医療研究センターの溝上 哲也先生、南里 明子先生をお招きしてご講演頂きました。
まず溝上先生から「職域の健康管理情報を活用した疫学研究」のテーマで、疫学研究、特に職域での疫学研究の意義や実際に研究を行っていく流れとポイントを具体的にお話頂きました。日本における県別の平均寿命・肥満度などのデータや、ご自身が行われたご研究をご紹介頂き、最終的に論文にまとめていく際のポイントまで含めた大変分かりやすく興味深い内容でした。企業外労働衛生機関の嘱託産業医として勤務された実務経験が現在の研究生活に活かされている、というお話も印象的でした。
続いて南里先生から「食生活と抑うつ症状との関連」のテーマで、BDHQという妥当性の検討された食事調査票を用いた断面的観察研究についてご紹介頂きました。葉酸やビタミンD、食事パターンが抑うつ症状とどのように関連するかを検討したご研究であり、学ぶ機会の少ない栄養疫学の視点から、日頃の保健指導にも活用したくなる内容のお話を伺うことができました。
最後に「職域における抑うつや糖尿病など生活習慣病予防に関する栄養疫学調査」についての協力依頼のご説明があり、私達が日常的に接している従業員の健康情報が活用すべき貴重なデータベースであることを再認識致しました。
終了後の懇親会には講師の先生方を含めて15名が参加しましたが、和やかな雰囲気の中、話が尽きることのない楽しい夜となりました。遠方からお越し下さった講師の先生方に改めて感謝申し上げます。