関東地方会
2025年2月8日 第86回研究会
- 日時
- 2025年2月8日(土) 14:00~17:00
- 会場
- 日本橋ライフサイエンスハブ 8F
- テーマ
- 「産業保健の日常業務の課題共有」
- プログラム
- 「産業保健における頭痛」
横山 雅子先生(富士通 産業医)
「職場巡視」
遠藤 武尊先生(SUBARU 産業医,医28期卒) - 参加者数
- 13名
- 報告
- 渡辺 麻衣(NTT東日本,看19期卒)
2025年2月8日(土)に開催されました、関東地方会第86回研究会について報告いたします。
今回は「産業保健の日常業務の課題共有」のテーマで、講師に横山雅子先生(富士通 産業医)と遠藤武尊先生(SUBARU 産業医,医28期卒)をお招きし、ご講演頂きました。
今回は現地開催のみで実施し13名の方にご参加頂きました。ご参加の皆様、誠にありがとうございました。
「産業保健における頭痛」横山 雅子先生(富士通 産業医)
過去の学会発表の内容をもとに、1. 産業保健現場で役立つ最新の頭痛情報、2. FUJITSU頭痛プロジェクト報告、3. 頭痛対策、4. 頭痛で本人・職場が困っているときの対応の4つのテーマに分けてお話いただきました。1.では頭痛の種類や治療、2.ではFUJITSU頭痛プロジェクト報告より頭痛の正しい知識と対処法を伝えるためのe-ラーニングの内容から施策全体の取り組みをご紹介いただきました。3.ではデスクワーク時の作業環境や頭痛予防・改善のためのセルフケア(食事・睡眠・運動・入浴)など普段の面談で早速活用できそうなポイントを教えていただきました。4.では事前アンケートの結果をもとにいくつかピックアップして身体表現性障害の場合の対応例、突発休など業務への支障がある社員への対応例、どのような頭痛の場合に受診勧奨をしたらよいのか、など教えていただきました。講演最後には参加者全員で「頭痛体操」を実施しました。
後半は参加者全員でディスカッションをして、頭痛で困っている方への支援で日頃悩んでいることを講師・参加者間だけではなく、参加者同士でディスカッションをする場面もあり、とても有意義な時間になりました。研究会後に、日ごろの産業保健活動に活用できるようにと横山先生より参加者へ当日のスライドを共有いただきました。
「職場巡視」 遠藤 武尊先生(SUBARU産業医,医28期卒)
遠藤先生が職場巡視について考えた経緯や2024年日本産業衛生学会全国協議会での発表内容についてお話いただきました。労働安全衛生規則、通達(解釈例規)には「毎月ごとにすべての作業場を巡視すべき」と記載があるが、事業所によっては敷地面積等広大であることもまれではなく、質を維持しつつ巡視を限られた時間の中で法令解釈通りに実施することが現実的であるかどうか、法令と実務のギャップについてお話いただきました。
後半2グループに分かれ産業医巡視の意義や経験の浅い産業医に職場巡視についてどのように指導しているかなどについてディスカッションを行いました。各社の職場巡視の状況を共有し、在宅ベースの職場も多いなか改めて職場巡視についてディスカッションをすることで、日々の職場巡視を振り返るとても良い機会になりました。
研究会後の懇親会は講師の先生含め計12名が参加しました。懇親会の場では研究会の時間では聞ききれなかった講師の先生方への質問が多くありました。参加者同士で日頃の産業保健活動の状況を共有したり、日ごろの困りごとを相談したりするなど会員同士の親睦がさらに深まった懇親会でした。