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最終更新日:2024年11月25日

関東地方会

2022年6月17日 第81回研究会

日時
2022年6月17日(金) 19:00~21:00
会場
オンライン(Zoomを使用)
テーマ
「2021年9月改正の脳・心臓疾患の労災認定基準の改正について」
演者
高橋 正也先生
(独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
 過労死等防止調査研究センター センター長)
司会
守田 祐作(日本製鉄 東日本製鉄所 鹿島地区,24回生)
参加者数
51名
報告
横谷 俊孝(三菱重工業,29回生)

2022年6月17日(金)開催の関東地方会第81回研究会について報告いたします。

開会挨拶:
小笠原地方会長より労災規準の変更までにあった流れについて共有したいという企画意図について説明。

司会挨拶:
守田先生より講師紹介および自身も労衛研で研究を行っていることを紹介。

本編:
脳・心疾患の労災の議論の中心は、発症前をどこまで遡るのかであった。
昭和36年の初出以降、当日の負荷から長期間の影響を考慮するように変わってきた経緯がある。
過労死ラインを超えたものは確定だが、45時間以上については裁量が大きい。
昨今においては副業を推進する中で、負荷をどのように考えるかも大きな問題となる。
欧米豪においては労働時間と脳卒中の関連が深いが、日本では心筋梗塞との関連が有意となる。
過労死はあまり世界的にフォーカスされないため、メタ解析を行おうにも、原著のクオリティにかなり難がある。
ILOの取り上げている中でも質評価がすべてNだったものもある。
今後は基準をより定量化すること、インターバルや夜勤のとらえ方、加齢の影響が課題となる。
今回のテーマは日本産業衛生学会関東地方会ニュースレターで出稿を予定している。

会場からの質問・意見:
45時間未満でも認定されうるか:それはまだない。ただし心理的負荷を理由とした45時間未満での申告は増えている。
発症しやすい部位:高血圧性の脳出血部位は起こりやすそうだが、先行論文もほとんどない
兼業について:R3の統計で数件出ている。各々ではなく兼業先を含めた総合判定になっていく傾向にある。
生活習慣の酌量:ほぼ加味されない。時間がとびぬけていれば、飲酒や喫煙などは現状見られていない。
当件におけるILOの情報提供(氏田先生より):諸外国では働きすぎということに対して注意が低い。日本は先駆者であり、専門家委員会まであって、真剣に議論されていることに世界中が注目している。ILOとしては今回出てきた知見・データを予防に結び付けていきたいと考えている。

閉会の辞:
今回の労災基準改定のバックにあるデータ・論文を、質の評価含め、高橋先生から非常に分かりやすく、奥深く説明いただき、かつご参加の先生方の活発な質疑応答を頂けましたこと、感謝します。
第34回産推研全国大会は関東地方会の主幹。
今回は実行委員長を共同実行として実施。開催は11月19日。テーマはオーセンティックとなる。

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