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最終更新日:2019年5月11日

近畿地方会

2019年2月2日 第42回研究会

日時
2019年2月2日(土) 15:00〜17:00
会場
新大阪ブリックビル3階 C会議室
プログラム
◇講演 15:00-17:00(質疑応答も含めます)
テーマ:「ビックリ仰天O157」
講師: 藤井 潤教授(鳥取大学医学部感染制御学教室)
座長: 伊藤 正人先生(パナソニック)
参加者数
21名(医学部20名、産業保健学部1名)
報告
伊藤遼太郎(京都工場保健会,33回生 )

2019年2月2日(土)、第42回研究会を開催しましたのご報告します。

今回は、鳥取大学医学部感染制御学講座 細菌学分野の藤井 潤教授(4回生)をお招きし、ご専門である腸管出血性大腸菌に関する知見と最新の研究について「ビックリ仰天O157」というテーマでご講演いただきました。

まず、O157をはじめとする腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素に関して、溶血性尿毒症症候群(HUS)や急性脳症による重症化の危険性についてお話いただきました。
HUSに関しては、発症の性差(男女比1:2)や後遺症などについて、1996年の堺市の集団食中毒事件等の実例をもとに、0157研究の第一人者として報道にも出演された当時の臨場感あふれるお話をいただきました。
急性脳症に関しては、藤井教授の数々の研究成果を代表する、ベロ毒素と急性脳症の関連を世界に先んじて実証された研究や、その後、線虫やマウスを用いて、ベロ毒素による中枢神経障害を発見された研究等についてご紹介いただきました。
さらに、これらの研究結果より解明されたベロ毒素レセプターを介する嗅覚障害経路の存在や、多能性幹細胞(Muse細胞)の再生能力に関する最新研究についてもお話しいただき、パーキンソン病やアルツハイマー型認知症の病態解明や治療につながる可能性について、驚きとともに夢の未来への実現に強い希望を感じました。

さらに世界中で問題となっているESBL産生多剤耐性大腸菌に関して、2011年にESBL産生O104が大流行した事実から、第一選択薬であるホスホマイシンへの耐性獲得防止への啓発と、これを大量使用している本邦の実状について注意喚起いただき、早期発見・軽症例などではアジスロマイシンによるベロ毒素の産生阻害も有効であるとの貴重なご教示をいただきました。
この他、本邦における食品衛生法の改訂の経緯や、強毒株であるベロ毒素2型産生菌の発生報告など、アカデミックな内容から公衆衛生的な分野まで多岐にわたるお話をいただきました。

ご講演後の質疑応答においても、多数の参加者から積極的な挙手と発言が続き、特に本邦では馬肉のみが生食を許可(牛肉は適切な調理加工のもと許可)されていること、熟成肉の熟成期間には定義がなく食中毒の温床となり得る事実には、参加者の全員が衝撃をうけた瞬間でありました。
今後は私生活でも重々留意するとともに、万一、食する機会があれば、覚悟と自己責任をもって臨む所存でございます。
また、腸管出血性大腸菌の消毒にはエタノールよりも希次亜塩素酸液がより有効であることなど、身近な生活から臨床医学・産業医学にも通ずる深い知識を学ばせていただき、今後の産業医活動の参考にさせていただこうと存じます。

この様に終始、知的好奇心の熱気に包まれ、盛会のうちに閉会となりました。

その後、懇親会場に場を移し、引き続き16名もの皆様にご参加いただきました。
各々の近況報告の中に、熱い議論や学生時の想い出話なども加わり、非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。
ご講演いただいた藤井教授にも、その後の二次会までお付き合いいただき、夜遅くまで懇親を深めることができました。

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