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最終更新日:2024年3月19日

近畿地方会

2018年2月24日 第40回研究会

日時
2018年2月24日(土) 15:30~17:30
会場
新大阪丸ビル別館 5階 5-7号室
プログラム
講演
テーマ:「AI(Appreciative Inquiry)を用いた組織開発」
講師 :北居 明先生(甲南大学経営学部)
参加者数
28名
報告
堤 雄介(三菱電機 神戸製作所,27回生)

近畿地方会第40回研究会を2018年2月24日(土)に開催いたしましたのでご報告させて頂きます。

「AI(Appreciative Inquiry)を用いた組織開発」をテーマに、甲南大学経営学部 北居 明先生を講師にお招きし開催いたしました。
参加者は会員、非会員総勢28名となり、盛大に行われました。

従来の組織開発は診断型(問題指摘型)のものが主であり、この取り組みでは「何が問題か?」の議論が「誰が問題か?」の議論にすり替ることや、「問題あり」と「問題なし」や「治療する側」「される側」に組織内の分裂を生じさせることから、組織のモチベーションも低下するばかりか、かえって状況が悪化する場合もあります。
今回レクチャー頂きましたAIはその課題を解消する一助となる方法で、ネガティブな課題に対して、「問題をなくす」ことではなく、「問題を自分のこととして取り組む」組織作りを目指します。

今回はイントロとしての講義と共に、ペアワークとグループワークを通じ、AIを学びました。
以下にAIの流れ(4Dサイクル)をお示しします。
[1]発見(Discovery) [2]夢(Dream) [3]デザイン(Design) [4]運命(Destiny)

[1]発見(Discovery):自分たちを最も意欲的にさせるエピソードを探る
「問い」を考える:AIは「問い」が命であり、問いを変えるワークを実施
例)問題:離職率が高い
問題解決型質問:離職率が高いのはなぜ??⇒ネガティブな原因のみが出て解決せず
ポジティブな質問:従業員にとって最高に魅力を感じる働きがいのある職場を作るには?⇒最高の魅力の意識共有→(ポジティブな話題は意見が活性化しやすい)→取り組み活性化→改善→結果的に離職率の低下に繋がる

今回は問題点を、「メンタルヘルス不調者が生まれる冷ややかで互いに無関心な職場を改善する」とし、グループで話し合いました。結果、「居心地の良い職場にするには?」や「ディズニーランドのようにワクワクする職場にするには?」などグループごとに様々な「問い」が生まれました。

「問い」ができたら次はポジティブインタビュー(ペアインタビュー)を行い、グループ内での強みの共有を行いました。
ポジティブインタビューでは、①出身地、趣味・興味のあること、②日々の仕事で関わる人々、成果を求める上でどのような人と協力しているか?③イキイキとした体験(人生での最高の体験や最もイキイキしたとき)を思い出し、具体的内容や状況、行った工夫や努力、そのときの人との関わりや支援、その状況を可能にした組織やチームの特徴 を20分間かけて、お互いにインタビューを行います。
その後、グループ内でインタビューし合った内容を一人2~3分の時間を用いて紹介し、聞き手側は「問い」に関する事項(キーワード)があればポストイット等に書き出していきます。

[2]夢(Dream):エピソードをもとに、将来像を描く
ペアインタビューで「眠りにつき朝になり、世界が全て自身の思っていた通りになっていたとき、あなたは何をするか?また、そこで大切にされている価値観は?」と、「あなたの組織の可能性が最高に発揮されているとしたら、あなたはどんなことに取組んでいるでいるか?」という質問をし合い、[1]同様にグループ内で共有します。

[3]デザイン(Design):将来像をもとに最も望ましい組織像を描く
[1]、[2]で書き出したポストイットを用いて、KJ法の要領でキーワードをグルーピングし、そのグループにネーミングをします。その結果を画用紙等で木などのイラストを用いて各グループの関係性を示し、イメージ化します。その中でメンバーの多くが持っている理想像や大切であると思う部分や共感できるキーワードを共有します。

[4]運命(Destiny):具体的アクション
組織(私たち)が目指すべきものを共有し、宣言文を作る。
例)私たちは「最高に楽しんでいる職場」となっている。そのためには「○○(最高の職場を実現するためのポイント)」をする
最後に具体的なアクションを決定します。
チーム名、チームリーダー(1名)、副リーダー(1~2名)、書記(1名)、その他メンバー、アクションの内容、目的、目標、具体的な実施方法と計画、次回ミーティングの日時と場所等

以上がAIの一連の流れとなります。今回は[1]~[3]までを実習させて頂きました。短時間ではありましたが、非常に前向きに取組むことができ、他のメンバーの方の色々なポジティブエピソードもお聞きできたため、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
やらされ感のない職場環境改善が実施できるよう、今後AIを取り入れた取組みを試みたいと思いました。

最後に、講義を頂きました北居先生とご参加いただいた皆様に感謝を述べさせていただき、ご報告とさせて頂きます。今後とも皆様に満足頂ける会とできるよう、事務局一同取組んでまいります。よろしくお願い致します。

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